仕事が立て込んでくると不思議ガジェットに手を出す癖があるのですが、勢いでGamebuino、Arduboy、PocketCHIPを注文しました。どれもインディの携帯ゲーム機です。
先日Gamebuinoの出荷のお知らせが届いたので、今日はウォーミングアップとして各ゲーム機のスペックと開発環境の予習をしてみたいと思います。
インディ携帯ゲーム機の紹介
ファミコン&MSX世代だったせいか、時折無性に昔のレトロな感じのゲームをプレイしたり作ったりしたくなることがあります。そんなニーズに応えるためかどうかはわかりませんが、DIY可能な携帯ゲーム機の需要というのはあるようで、Arduino等を利用した安価な携帯ゲーム開発環境がいくつか販売されています。
調べた中で良さそうだったのは以下の3製品です。
各製品の特徴と開発環境を簡単にまとめてみます。
Gamebuino
GamebuinoはArduino Unoベースの携帯ゲーム機です。価格は本体39ユーロ+日本への送料5ユーロで、購入時は日本円で合計5281円でした。
公式ページに記載されているスペックです。
- CPU : atmega328 @ 16Mhz (like an Arduino Uno)
- Display : 84*48px monochrome (like the good old nokia 3310) + auto backlight
- Sound : magnetic speaker, 4 channels
- Input : Arrows + A B C buttons
- Communication : 1x micro USB, 1x micro SD card, 2x I2C
- Battery : 24h life, 240mAh LiPo battery, charged through USB
- Dimensions : about the size of a credit card ; 904512 mm (3.51.80.5″)
Gamebuino上で動くゲームは、Arduinoの開発環境上で拡張ライブラリを利用して開発します。拡張ライブラリではグラフィックス描画、サウンド再生、メニュー管理、キー入力、パフォーマンスモニターなどの機能が提供されています。
ゲームの実行はUSBケーブル経由でのアップデートかSDカードからの起動で行いますが、時間がかかるためエミュレーターでの開発が推奨されています。Mac版のエミュレーターはないので、Mac環境ではWeb版を使うしかなさそうです。
Arduboy
ArduboyはArduino Leonardoベースの携帯ゲーム機です。Gamebuinoと比べて、本体がカードサイズで小さく、画面が有機ELで明るいのが特徴です。
価格はプリオーダー期間割引で本体39ドル+日本への送料15ドルで、購入時のレートで合計5759円でした。
公式ページに記載されているスペックです。
- Processor: ATmega32u4 (same as Arduino Leonardo & Micro)
- Memory: 32KB Flash, 2.5KB RAM, 1KB EEPROM
- Connectivity: USB 2.0 w/ built in HID profile
- Inputs: 6 momentary tactile buttons
- Outputs: 128x64 1Bit OLED, 2 Ch. Piezo Speaker & Blinky LED
- Battery: 180 mAh Thin-Film Lithium Polymer
- Programming: Codebender, Arduino IDE, GCC & AVRDude
Arduboyのゲーム開発もArduino開発環境上で拡張ライブラリを導入して行いますが、どうやら公式のAPIリファレンスは存在しないようです(マジか…)。公式フォーラムではGitHubの公式ライブラリのexamplesやヘッダを見ると良いと書いてあります。
フォーラム上で親切な人がAPIリファレンスの要約を書いてくれていたので、参考にリンクを置いておきます。
Arduboy、本体の洗練度合いに比べて他の要素はかなり割り切ってる様子です。
PocketCHIP
PocketCHIPはARMv7ベースの携帯ゲーム機で、GPUやタッチパネルカラー液晶、キーボード、Wifi、Bluetoothなどを搭載しています。
価格はプリオーダー期間割引で本体49ドル+日本への送料11ドルでした。カードの請求書がまだ来ていないため正確な額はわからないのですが、日本円で合計6000円ちょっとといったところでしょうか。
先に紹介した2つのゲーム機と比べて性能が数十倍以上高く、機能も多いため、コストパフォーマンスは非常に良いです。
PocketCHIPのスペックは以下になります。
PocketCHIPのもう一つの特徴は、仮想レトロゲーム動作環境のPICO-8が搭載されていることです。
PICO-8の仮想スペックは以下になります。あえて制限を設けることで、レトロゲームらしさを出すのと共に、Web等でのエミュレーションを容易にしているようです。
- DISPLAY:128X128 16 COLORS
- CARTRIDGE SIZE:32K
- SOUND:4 CHANNEL CHIP BLERPS
- CODE:LUA
- SPRITES:128 8X8 SPRITES
- MAP:128X32 CELS
- CONTROLS:2 6-BUTTON JOYSTICKS
PICO-8単体は有料(14.99ドル)なのですが、PocketCHIPを購入するとPICO-8の利用権が付いてきます。私はまだ製品が届いていないため実際に使えてはいませんが、以下のページが参考になりそうです。
なんと、Luaライクな言語でのコーディングも画像や音楽作成も全て提供される仮想コンソール上で行うようです。この謎のこだわりはDS/3DS向けBASIC環境のプチコンを彷彿とさせます。
終わりに
どのゲーム機もまだ届いていないので、実際の使用感などは分からないのですが、どれも個性的で非常に楽しみです。特にPICO-8で早くアニメーションや音楽を作ってみたいです。そして仕事から逃避します!探さないで!