Pyxelを開発する理由とGitHub Sponsorsの開始について

Python向けレトロゲームエンジンPyxelのユーザーの皆様、こんにちは。

バージョン1.6からは、通常のサンプルとは別に2つのPyxel製ゲーム(以下の画像)もバンドルするようにしたのですが、楽しんでいただけていますでしょうか。

こちら、UK在住のスーパークリエイターAdamさん作のゲームなのですが、どちらも面白いだけでなく、歯応えも相当ありますので、クリアを目指すのであれば心してかかった方が良いと思います。私も動作確認のためにクリアまでプレイしたのですが、ものすごい時間がかかって、ほとんどゲームセンターCXのノリでした…。

昨年12月、Rust版コアエンジンを搭載した新バージョンのPyxelをリリースし、その後の不具合修正もひと段落して、やっと一息着くことができました。無事たくさんの方々に使っていただけているようで、PyPIで24万ダウンロード、GitHubも9300スターとなりました。現在は、新たな不具合報告に怯えつつも、10000スターになる日をワクワクしながら待っているところです。(追記:2022/12月現在 PyPIでは32万ダウンロード、GitHubでは11000スターになりました!)

Pyxel新バージョンのリリースと共に新たに始めた試みとして、OSS開発に対してGitHub上で寄付を募るGitHub Sponsorsの開始があります。

このGitHub Sponsorsの登録にあたり、何のためにPyxelを開発するのか、なぜスポンサーの募集をするのか、今後どんな開発を行いたいかを英作文したのですが、全体ボリュームを抑えるため日本語の併記は見送ったため、今回はGitHub Sponsorsページの日本語訳をこちらに掲載したいと思います。

あと、勢いでKo-fiも登録してみました。コーヒーを一杯奢るという例えで寄付を募るという考え方がカジュアルで面白いですね。

ko-fi

Pyxelがスポンサーを募集する理由(日本語訳版)

(元の文章はこちら

こんにちは。私はソフトエンジニアのTakashi Kitaoです。その昔はゲーム開発者で、PlayStatino向けのゲームをいくつかデザイン・開発していました。得意な技術領域はグラフィックスやゲーム開発で、今はGitHubオープンソースプロジェクトであるPyxelの開発に集中しています。

PyxelPythonのために設計されたゲームエンジンで、Pythonモジュールと専用のリソース編集ツールで構成されています。

Pyxelには以下のような特長があります。

Pyxelの使いやすさや楽しさ、Pythonとの互換性は様々な人々の注目を集め、プロジェクトがリリースされた2018年には、GitHubデイリーランキングで世界1位のプロジェクトになりました。その後も世界中でユーザーは増え続け、2022年にはプロジェクトのスター数が11000を超えました。また、大学や高校、塾などの実際のプログラミングの授業でも活用されています。(訳注:日本だと、慶應技術大学、大阪大学、東京フランス国際学園などの授業で使われています)

私はPyxelの開発者として、プログラミング学習者、趣味のゲーム開発者、子供たちのために、機能の追加とメンテナンスを今後も継続していきたいと考えています。私の若い頃は、コンピューターの性能向上に合わせて、一歩一歩プログラミングのスキルを学んでいくことができましたが、今日はたくさんの情報がある一方、初心者がプログラミングを楽しみながら実践的に学習できる環境を見つけることが難しいと感じるからです。

しかし、Pyxelの開発を継続するには、各プラットフォームのテスト環境を構築し、OSの定期的なアップデートに追従し、ユーザーからの不具合報告を分析・解決する時間を確保する必要があります。実際のところ、それには相当の労力が必要です。

そのため、私はGitHubスポンサーの支援により、開発機材、技術資料、ユーザーサポートの時間を確保できるようにしたいと考えています。

Pyxelでは今後、以下の機能の開発を予定しています。

  • 簡単にPyxelプログラミングを試したり作品を公開できるWebブラウザ版のサポート
  • リソース編集ツールの刷新。特に音色の作成機能や、本格的なメロディ編集機能の追加
  • プログラミング初心者向けのチュートリアルやサンプルの充実
  • 子供たちも含めた、世界中のPyxelユーザーのための楽しいGame Jam (ゲームプログラミングの大会) の開催

あなたの支援と期待で、より積極的にPyxelの開発を進めていけるようになるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします!

GitHub Sponsors